連帯運動 活動記録

第1回講演・討論集会

「鹿児島県議選弾圧冤罪事件をとおして日本の司法・国家の変革を考える」

5月17日(木) 18:30〜21:00 総評会館201号室

 人権を守らなければならないはずの司法による人権侵害の頻発、そういう日本の現状を変えようとする人々が集って開始された連帯運動の最初の企画として標記の講演会が、5月17日、総評会館で行なわれました。司会は作家の宮崎 学さんでした。


 はじめに、辻惠弁護士から以下の講演を受けました。

講演・辻恵弁護士
 私は03年11月の総選挙で議席を得まして、05年8月まで、衆議院議員(民主党)として活動したのですが、04年6月2日に衆議院法務委員会で、この件について一時間の質疑をしました。今年の2月23日に被告一二人(一人は死亡)全員に無罪判決がでたのですが、これからも頑張りたいという思いもこめて、今日は「志布志事件をとおして日本の司法・国家の変革を考える」という提案をさせていただきました。まず、志布志事件について、お互いが議論できる共通認識をしっかりと確認しあうことが大事だと思います。
 県議選の投開票は03年4月13日で、新人の中山さんが予想に反して当選しました。14日には捜査が開始され、中山さんの従兄弟の川端幸夫さんに任意出頭がかかりました。
 最初の逮捕者は藤元いち子さんでした(4月22日)。藤元さんは四浦地区懐部落という、七世帯で有権者二〇人のところに住んでいます。そこで一九一万円を四回に分けて、配ったというのです。裏づけ、物証は全くありません。判決の中でも、二〇人に一九一万円なんて出すはずがないではないかと、言っています。藤元さんは逮捕、再逮捕、再々逮捕と続く中で「落とされ」、五月一三日から芋づる式にずるずると一五人が逮捕され、任意出頭は二〇人になりました。
 拘留の一番長かったのが中山さんで三九五日、中山夫人が二七三日、高齢の中山鶴雄さん(七五才)が一八六日、永山トメ子さん(七三才)が一八六日というのも含めて一一名が一〇〇日以上の拘留をうけています。起訴された人は一三人(一一人四浦地区)で、その内六人に自白調書が出ているのですが、この六人も含めて後に全員が否認することになりました。
 最初から地元の商工会をめぐって勢力争いがあって、志布志の署長で鹿児島の県警二課から来た警部が、落選した自民党の現職議員と懇意でした。そういうごちゃごちゃした関係のあるところに、警察が一方的な見込み捜査で踏み込んだのがこの事件です。最初のボタンの賭け違いからそのまま突っ走って、誰も暴走の歯止めができない状態でした。志布志の警察署での会議である警部補が「やっぱりこれは・・・」と言ったら、署長がどなりつけて「お前らの努力が足りないから落せないんだ」と二時間説教をして、その警部補を捜査からはずすということもありました。検察も同様です。藤元さんの自白は、弁護士と接見する度に変るので、「どういう接見があったのか調書を取れ」と検事正が指示してやらせるということもありました。地検・県警本部の自白偏重体質、も問題です。無罪判決があったあとに漆間警察庁長官から、厳重注意がなされましたが、それで許してはならないと思います。昔からあるいろいろな冤罪事件の「繰り返し」ではありません。
 勝利できたのは、一三人全員が無罪を主張し、統一公判ができたからです。志布志のコミュニティーが成り立っていたので、被告を支え、現場の捜査官を動揺させました。「捜査の可視化」という声が強くなって、大きなうねりができたのも大事です。
 この勝利をどう生かすかがほんとに重要です。日本の国家は行政権が肥大化して、立法府はそれをチェックする機能をもっていない、止むに止まれず救済を求める司法が、この状態です。共謀罪法案は郵政国会で廃案になりましたが、いつ復活するか判りません。
 交流のネットワークをしっかりさせることが大事です。私も参加します。

原田宏二さん(元北海道警釧路方面本部長、道警の裏金告発、現在「市民の目フォーラム北海道」代表、「明るい警察を実現する全国ネットワーク」設立)
 私は山梨と熊本で捜査二課長をやりましたが、鹿児島の話を聞いて「これは捜査ではない」というのが率直な印象です。「長期拘留して叩く」ということは昔からやっていますが。「捜査の可視化」という話がありました。警察は被疑者が「落ちて」から後のことしか、「可視化」しません。内部告発や権力相手に訴訟を起すということはたいへんなことです。飯が食えなくなるのですから。今日来て良かったのは、東京でこういう集まりができたことです。これからは東京が核になって、全国の運動が連携すれば良いと思います。

黒木昭雄さん(元荏原署巡査部長、警察が抱える構造的問題を指摘するジャーナリスト)
 ほんとに恐い時代です。マスコミはなんで「ずさん捜査」と書くんでしょう。これは捜査ではなく、ねつ造です。あやまちは誰にでもあります。冤罪があるのは不思議ではありません。しかし警察はそれを認めないんです。高齢の方々を誤認逮捕して百数十も拘留するのは、「権力を使った逮捕監禁」だし、起訴した検察、逮捕状を出した裁判所も含めて、「権力を使った犯罪」についての法律が必要です。

 最後に、連帯運動の代表の一人である
樋口篤三さんが次のようなまとめを行い、この日の集会を終えました。
 右のイデオローグも『国まさに滅びんとす』という著書があるし、梅原武も「日本は道徳から滅びる寸前にある」と言っているが、今日は、また別の観点から日本は大変なところに来ていると感じました。権力弾圧と闘わなければ、日本はほんとに滅びてしまう。皆さんもぜひこの運動に入っていただいて、共同の力ではね返していきましょう。(文責・連帯運動事務局)


■第1回呼びかけ人会議記録

2007年4月6日(金)学士会館

 以下を話し合い、確認しました。
1、これまでの経過
2、呼びかけ文呼びかけ人(第一次)
3、今後の活動
 1)5月17日(木)第1回講演・討論集会
  18:30〜21:00
  総評会館201会議室
  講師:辻惠(弁護士)
  「鹿児島県議選弾圧冤罪事件をとおして日本の司法・国家の変革を考える」
  司会:宮崎学(作家)
 2)以後、講演・討論集会を継続しつつ、賛同者を集める
4、口座の開設


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