警察・検察の不法・横暴を許さない連帯を
3回研究集会−組合弾圧事例研究

国労5.27臨大闘争弾圧事件
佐藤昭夫 弁護士(早大名誉教授)

JR浦和電車区事件
後藤昌次郎 弁護士

今回の企画は、国労5・27臨時大会での国労内部の対立を口実に国労組合員7名と支援者1名が逮捕・起訴された、国労5・27臨時大会事件と、
 組合離脱者への説得活動に大掛かりなでっち上げで強要罪が適用され労組役員7名が逮捕・起訴された浦和電車区事件を取り上げます。
 それぞれの事件の背景についてはいろいろな意見がありうるし、両事件の被疑者や支援者には立場の大きな違いがあるかもしれませんが、「それは警察権力による組合活動への不当・不法な介入・弾圧である」という点では共通しているはずです。
 まずは、夫々の事件の弁護団長であるお二人に話を聞くことにしました。

講 師: 佐藤昭夫 早大名誉教授・弁護士 
      後藤昌次郎 弁護士

日 時: 1月28日(月)午後2時〜4時半

会 場: 日本教育会館一ツ橋ホール7回704会議室
      東京都千代田区一ツ橋1−6−2 Tel 03(3230)2831

会 費: 1,000円


講師略歴:

=佐藤昭夫=
1928年、北海道に生まれる。

1951年早大法学部卒後、
1967年より早大法学部教授。
1999年に弁護士登録。
現在は弁護士、法学博士、
早稲田大学名誉教授。

主な著書に『労働法学の課題』、
『ピケット権の研究』(1960年勁草書房)、
政治スト論・団体行動権の保障のために』(1971年一粒社)、
『国家的不当労働行為論』(1990年早稲田大学出版部)
『労働法学の方法・歴史の認識と法の理解』(1998年悠々社)。

「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」呼びかけ発起人

=後藤昌次郎=
1924年、岩手県に生まれる。

旧制黒沢尻中学校卒業、
旧制第一高等学校文科および理科卒業、
東京大学法学部を経て、
1954年弁護士となる。

かかわった主な冤罪事件として、
松川事件、八海事件青梅事件土田・日石・ピース缶爆弾事件総監公舎爆破未遂事件日大闘争警官傷害致死事件などがある。

また神戸酒鬼薔薇事件の少年Aの弁護人も務める。

1992年に東京弁護士会人権賞受賞、著書多数。

「えん罪JR浦和電車区事件を支援する会」呼びかけ人代表


<交通案内>



地下鉄都営新宿線・東京メトロ半蔵門線神保町駅(A1出口)下車徒歩3分
地下鉄都営三田線神保町駅(A8出口)下車徒歩5分
東京メトロ東西線竹橋駅(北の丸公園側出口)下車徒歩5分
東京メトロ東西線九段下駅(6番出口)下車徒歩7分
JR総武線水道橋駅(西口出口)下車徒歩15分


《国労5・27臨時大会事件資料》

声明

国労組合員と国鉄闘争支援者への弾圧を許してはならない
◆「国労五・二七臨大闘争弾圧を許さない会」の賛同会員になって下さい◆

 10月7日朝、警視庁公安部は、国労組合員五名(うち闘争団員2名)と国鉄闘争支援者3名を逮捕しました。この日は国労全国大会の代議員選挙の告示日であります。逮捕者の中には、その代議員立候補予定者も含まれていました。うち6名が28日に起訴され、翌29日にはさらに別の国労組合員2名が逮捕され、この2人も11月19日には起訴されました。

 5ヵ月前の今年5月27日の国労臨時大会の際のビラまき・説得行動をした者に「中核派活動家」とのレッテルを張り、「国労大会の開催を阻止しようと企て」、「多衆の威力を示し暴行した」とする口実で、『暴力行為等処罰に関する法律』違反で逮捕したものです。

 このビラまき・説得活動は、「JRに法的責任がないことを認めよ」という、いわゆる四党合意を承認した国労本部が、組合差別の責任を追及し、解雇無効と損害賠償を請求する裁判(鉄建公団訴訟)を起こした組合員らの除名を図ろうとする大会に対する抗議の一環でした。あくまでも国労組合の方針をめぐる問題であり、団結権を保障した憲法と労働組合法のもとで、団結自治に委ねられるべき事柄です。

 ところが、警察権力は、国労内一部役員の協力を引き出したうえで、あたかも外部の政治団体が大会の破壊をはかったかのように描いて国労組合の方針決定をめぐる対立に介入してきたのです。事実、勾留理由開示公判で、裁判官は、被疑者が国労組合員であることを知らなかったと言明しています。 前代未聞の労働組合弾圧です。労働者としての尊厳をかけ、家族ともども十数年間たたかい続けてきた1047名の闘争団員を分断し、押しつぶそうとする権力の意思の現れであり、また代議員選挙をとおした自由な論議と意思決定に対する妨害と見るほかありません。

 しかも、権力が持ち出してきたのは、戦前治安維持法とともに思想差別と労働運動・小作争議弾圧のために立法された『暴力行為等処罰に関する法律』です。労働運動を治安の対象とし、有事法制を先取りするものです。これを放置すれば、「国策」に反対する運動はすべて抑圧の対象になるでしょう。すでに、去る10月24日の全動労(建交労)採用差別事件東京高裁判決は、「国鉄再建という特別な状況下」では差別も許されるとしているのです。

 私たちは、この国労五・二七臨時大会闘争団弾圧に強く抗議し、司法当局およびJR各社に次のことを要求します。

1、起訴者全員の即時保釈を認め、また公訴を棄却すること。
2、JR各社は、本件を理由に国労組合員へのいかなる不利益扱いもしないこと。

2002年12月19日


《浦和電車区事件資料》

「えん罪JR浦和電車区事件を支援する会」とは

 2002年11月1日。JRの労働組合の一つ東日本旅客鉄道労働組合(略称:JR東労組)と関係者宅64カ所が家宅捜索されました。1000点以上の物品が押収され、7人の組合員が逮捕されました。
 この大捜査のきっかけとなったのは、地方の組合で、ある組合員に組合の脱退と退職を迫ったとする「強要罪」という罪でした。

 逮捕された7人は、勾留されたまま裁判が行われました。
 ところが、その裁判の中で、被害届が出る以前から警察が捜査を行っていたこと、さらに、その被害届も警察が作成し、「被害者」はそれに押印しただけだということが明らかになりました。 さらに、法廷内では、「強要」「脅迫」とはほど遠い、通常の職場での議論、日常会話がその証拠として提出されました。

 「これはおかしい」「あまりに異常だ」という声も広がっていき、2003年7月23日、「えん罪JR浦和電車区事件を支援する会」の発足にいたりました。
 私たち「支援する会」は公正な裁判を求め、司法の反動化を許さず、より幅広い方々との連帯のもと、完全無罪まで闘っていきます。


年頭にあたって

呼びかけ人代表 後藤昌次郎

 JR浦和電車区事件は、単なるえん罪事件ではない。公安警察・検察によるデッチ上げ事件である。捜査のミスで犯人にされようとしているのではなく、政治的目的による大掛かりなデッチ上げ事件である。
 法定刑3年以下という強要罪をコネ上げて、組合本部、地本、支部、分会、組合員の私宅まで襲い、ガサをかけ逮捕するという大仕掛けな謀略事件だ。松川事件でもこういうことはなかった。 しかも法定刑3年以下という微罪を口実に、逮捕から344日も勾留を続けたのだ。こんな弾圧には決して挫けない、団結して必ず勝利するという決意と気魄から「美世志会」が生まれたのだ。

 デッチ上げの手口には、大きく言って証拠のねつ造と隠滅がある。本件は、後者の典型である。
 松川事件では物、すなわち「諏訪メモ」を、菅生事件では人、すなわち真犯人を隠した。真実を隠し、見落とさせ、葬るためである。これを見破って、公判廷に出させるのは非常に難しい。
 水掛け論となって、裁判所は、検察に軍配をあげるからである。

 裁判は、建前上、無罪の推定に立たなければならないが、現実の裁判では事実上、有罪の推定がまかり通っているからである。合理的疑問を容れることのできないほど、無実を立証したと自負しても、裁判所は多く、これを無視する。松川事件の1、2審判決が、その例である。
 だから「公判闘争の主戦場は公判廷の外にある」というのである。公判で明らかにした真実をひろく国民に訴え、真実の力を社会的力にして国家権力の不正と対決する。それによって隠された証拠が現れ、理屈による裁判の歪曲を許さず、裁判に勝利することができるのである。

 本件は、松川事件、菅生事件と並ぶ政治的謀略事件である。松川事件では物=「諏訪メモ」を隠し、菅生事件では人=「真犯人・戸高公徳」を隠した。本件では公判の始まりから事実の核心そのものを隠した。
 
 どうでもよいことと、どうでもよくないことがある。何が語られているかということより、何が語られていないか、ということが大事だ。
 語ることによってウソをつき、語らないことによって真実を隠す、本件は政治的謀略事件である。

 被告・弁護団の活躍を支援する人々の力によって、真実はほぼ解明された。だが油断は出来ない。フンドシを締め直さなくてはならない。隠された真実の急所をつかみ出して、徹底的に謀略を挫かなければならない。詳細は最終弁論で明らかにされるだろう。心から、一層のご支援を期待する。